お嬢様はじめました。
「ちょっとっ!!」



腕を引かれ、空いている手を腰に回された。


な、な、何この体勢!?


なんで抱きしめられなきゃいけないのよ!!


男子生徒が必死に抵抗する私の耳元に唇を寄せ、私の体は一気に強張った。



「玲。」

「っ、は、はい!?」

「俺の名前。」

「わか、分かった! 分かったから離れてよ!!」



必死にお願いしてるのにそれでも彼は私を離してくれな。


離さないどころかどんどん体が密着していく。



「呼んで。」

「な、何で!?」



耳に息がかかってるって!!


もう倒れそう!!
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