お嬢様はじめました。
玲との約束の日。


待ち合わせの場所に着いたけど、まだ玲の姿はなかった。


あれから玲の事をネットで調べた。


凄く有名なモデルで、趣味でやってるんじゃなくて、真剣にやってるんだなって思った。


あんなに有名なのに知らなかったって……私ってば失礼な奴だよね。


今だって周りを見渡せば、でかでかと飾られたポスターには玲の姿が……。


今まで意識してなかったから気付かなかったけど、街中には玲がたくさんいる。


視線の先に一台のリムジンが止まった。


あれは間違いなく……やっぱり。


執事らしき人が車のドアを開けると、玲が降りて来た。


ただでさえ目立ってるのに、玲が姿を現すと歩いていた女の子たちの視線が更に凄くなった。


玲は私を見つけると、ほんの少し口角を上げた。



「待たせた?」

「ううん、全然」
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