お嬢様はじめました。
カフェに入ったはいいけど、ここでも女の子たちの視線が痛い。



「美味しそうに食べるね」



マジマジ見られながら言われると、ただスコーン食べてるだけなのに恥ずかしくなる。


玲は同じ高校生とは思えないくらい大人な飲み物、ブラックコーヒーを飲んでいる。


私は甘々なキャラメルラテ。



「玲は甘いもの苦手? それとも職業柄控えてるの?」

「得意ではないかな。 仕事のせいで何かを我慢した事はないよ」

「そうなの? 体型維持の為に何かしたりしてないの?」

「たまにトレーニングはするけど、仕事の為に無理に何かをする事はないよ」

「仕事が好き? きっかけは__」

「ははっ」



突然笑われてビックリした。



「そんなに質問攻めされたの初めて」

「あ、ごめ__」

「いいよ。 いつもなら煩わしくて答えないけど、葵に質問攻めされるのは不思議と嫌じゃないんだ」


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