お嬢様はじめました。
「因みに2人は踊れるの?」

「私はたしなむ程度には踊れるよ」



だよね。


華が踊ってるとこは安易に想像つく。



「俺も踊れる」

「…………」

「何だよ! その目!!」



こう見えて樹希もやっぱお坊ちゃんか。


普通に踊れるとか何それ?って感じなんだけど。



「今からダンス講師つけてもらえよ」

「舞踏会までもう時間なくない!?」

「基礎だけでも、知ってんのと知らねぇのとじゃ全然違うだろ」



今更基礎習ったところで踊れる気がしない。


てか踊るとか恥ずかしすぎる。



「私も今のうちに習っておいた方がいいと思うな」

「華までそんな事言うのぉ〜〜??」

「卒業したら葵ちゃんの事みんなが知る事になるじゃない? そしたらそういうパーティーに出席する機会も増えると思うから、今から始めて損する事はないと思う」



お祖父ちゃんの孫ってバレたらそんな面倒臭い事になるの!?


…お祖父ちゃんはそういう世界で生きてきて、今もその世界で生きてるんだもんね。


そんな事まで考えてなかった…。



「ま、頑張れ」

「他人事だと思って!!」

「あはは! まぁ困った事があれば言えよ。 俺も華も力になるからさ」



パーティー慣れした2人が居てくれると私も心強い。


けど、不安がいっぱいだ。


そして憂鬱だ。





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