冴えない彼は私の許婚
定時になり私と玲美ちゃんは、更衣室でクラブ用にと置いてある洋服に着替えをする。
玲美ちゃんはチュニックのワンピでいつもながら可愛い。
私は肩を出した白いニットのミニワンピ、ストレートの髪をドライヤーで巻いてお化粧直しをして準備OK❣
ロビーに下りると木之下君は既に待っていた。
「うっわぁー先輩凄く良いっす! 素敵です!」
木之下君が私を見て褒めてくれる。
「有難う」
弟の様な木ノ下君だが、やはり異性から誉めて貰うのは嬉しい。
「先輩が素敵なのは分かってます!」と隣に居る玲美ちゃんは頬を膨らます。
「あぁ、勿論玲美ちゃんも素敵だよ! 凄く可愛い」
木ノ下君が慌てて玲美ちゃんを褒めると玲美ちゃんは「フン…」とそっぽを向く。
玲美ちゃんは拗ねてるのだろう。だけど玲美ちゃんがそんな顔を見せるのは木ノ下君のまえだけだ。
だから、玲美ちゃんも木之下君の事まんざらじゃないんだと私は思う。
3人でタクシーに乗り、行きつけのお店へと向かう。
煩わしい事や嫌な事など何もかも忘れ、ひと時を踊って忘れる。