冴えない彼は私の許婚
試して…
翌朝、ほとんど寝ることが出来なかった私は、食欲もなく木理子さんの用意してくれた朝食を食べずにいつもより早く出勤した。
部署のドアを開けると、既に葉瀬さんは出勤していて、いつもの冴えない格好で自分のデスクに座っていた。
この人が助けてくれたらなぁ…
悩んだところで、私にはもうどうする事も出来ない。いざとなったら逃げるしかないかな…
でも今は、仕事に集中しよう。
昨日あまり進まなかった、研究データまとめよう…
「先輩おはようございます!」
「おはよう…」
いつもと変わらず元気な玲美ちゃんは、出勤してくると昨日のクラブの話を始めた。
「先輩、昨日のタクヤって人に連絡しました?」
「ううん。 してないよ」
「えーしてないんですか⁉︎
カッコ良かったのに!
先輩とお似合いでしたよ! 美男美女で!」
「そうかな…」私は苦笑する。
「向こうは連絡待ってますよ? 絶対!」