『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
ぼんやりとソファに寝転がって、窓の外に広がる青空を見上げた。

空気が乾燥してる空は、色が思いっきり薄いパステルブルーに染まってる。

差し掛かるすじ雲が波打つように棚引く。

サラサラ…と流れて、まるでウエディングベールのようだ…。





(ベールか……結婚したいなぁ……)



来年は30歳。友達は皆そろそろ落ち着いてくる頃。

既に結婚してる人が大半で、お母さんになってる人もいる。海外出張の夫について行って、海外生活送ってる子もいたっけ。
結婚はしてなくても、恋人は皆いる…。


恋も愛も、手に入れてないのはあたしだけ。


何処へ行けば、恋する人に出会える?
誰に会ったら、愛が見つかる?


誰に会ったら………



「幸せになれるかなぁ……」



呟く言葉が虚しい。


今のあたしも、今までのあたしも、全部、全部、ずっと虚しい………。




「……あたし……お見合いでもしようかな……」


だいぶ前に親戚の叔母さんが、お見合い写真持ってきたことがあったっけ。

資格を取得したばかりの頃で、これからまだ専門職として頑張っていこう…と思ってる矢先だったから断った。




(しまった……あの時、会うだけでもしてれば良かった……)


後悔先に立たず……お年寄りの言う通りだ。



ふぅ…と溜息。


そのあたしの目の前に、母の愛子が四角い薄っぺらい色紙みたいなものを差し出した。



「じゃーんっ!なーんだっ⁉︎ コレ! 」

「……何よ」


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