『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
トン…トン…と誰かが肩口を叩いてる。
おばあちゃんが子守唄を歌いながら、いつもあたしにしてくれてたのと同じ感じ。
歌声が聞こえてきそうな気がする。
外国のグループサウンズの曲。
子守唄にしてはハイカラで面白いなぁ…と、いつも思ってたーーー。
「…愛理……愛理さん……着いたよ…」
『ゆる彼』の声がする。
(やっぱりあたしの夢か…)
重い瞼を押し開けた。
黒っぽい生地が視界に入って、その感触を指で撫でながら確認した。
(ウール100%ってところかな…)
寝ぼけてる頭は、思考もはっきりしない。
枕にしては硬そうな雰囲気のものに指先を滑らせて、ゴツっとした硬いものに気付いて目が覚めた。
(この感触………骨っ!!)
がばっと起き上がって前を見た。
後部座席の窓と助手席側のシートが見える。
少し目線をずらしてみたら、困り顔の剛さんがいた。
「………!」
(し…しまった…!もしかしてあたし、眠ってしまってたとか⁉︎)
あはは…と笑ってごまかしてみてもダメだよね。
いつもながらのタイミングの悪さに呆れるように見える彼に向かって、潔く謝った。
「す、すみません…疲れ果てて熟睡してました…!」
がくっと項垂れる。
指と指とを交差させながら、もじもじと言葉を待った。
「本当によく眠ってたね。本宅に着いたから下りよう。歩ける?」
おばあちゃんが子守唄を歌いながら、いつもあたしにしてくれてたのと同じ感じ。
歌声が聞こえてきそうな気がする。
外国のグループサウンズの曲。
子守唄にしてはハイカラで面白いなぁ…と、いつも思ってたーーー。
「…愛理……愛理さん……着いたよ…」
『ゆる彼』の声がする。
(やっぱりあたしの夢か…)
重い瞼を押し開けた。
黒っぽい生地が視界に入って、その感触を指で撫でながら確認した。
(ウール100%ってところかな…)
寝ぼけてる頭は、思考もはっきりしない。
枕にしては硬そうな雰囲気のものに指先を滑らせて、ゴツっとした硬いものに気付いて目が覚めた。
(この感触………骨っ!!)
がばっと起き上がって前を見た。
後部座席の窓と助手席側のシートが見える。
少し目線をずらしてみたら、困り顔の剛さんがいた。
「………!」
(し…しまった…!もしかしてあたし、眠ってしまってたとか⁉︎)
あはは…と笑ってごまかしてみてもダメだよね。
いつもながらのタイミングの悪さに呆れるように見える彼に向かって、潔く謝った。
「す、すみません…疲れ果てて熟睡してました…!」
がくっと項垂れる。
指と指とを交差させながら、もじもじと言葉を待った。
「本当によく眠ってたね。本宅に着いたから下りよう。歩ける?」