『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
耳を疑う言葉に、軽い頭痛を覚えた。
「はっ?」と聞き返した俺の顔をまじまじと見て、もう一度彼女が言った。



「あたしが、おばあちゃんと暮らします。この家で、おばあちゃんの終末期を見守ります」



何の意味で言ってるのか分からず、言葉を探して考えあぐねた。
彼女は口元に笑みを作り、大きく息を吸い込んだ。


「だから……ご家族様に向けて、プレゼンを企画してもいいですか?
一緒に暮らすにあたって最低限でもいいから協力をして頂きたいと思います。
介護は一人の介護者のみでは成立しません。たくさんの人の協力があってこそ成り立ちます。
その架け橋となれる土台作りをさせて欲しいんです……」


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