『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
やっと言えた言葉を剛さんは信じられない様な顔で聞いてた。

あたしがどういう意味で言ってるのか、深く知りたい様子だった。

でも………


「そんなの…君にはさせられないよ。君はうちの家族でも何でもない。
…他所様の人に一緒に住んでもらうとか、他の兄姉達から絶対にクレームが来る。
君が思う様な単純な奴らじゃないんだ。俺の兄姉は……」


褒め言葉ではなさそうな雰囲気の返事に、やっぱりね…って気がした。

家族以前に彼から反対されることは十分予測してる。


誰が考えてもきっとおかしい。

あたしは、久城剛さんをただ好きだってだけの人間だからーーー。




「……あたしでは、ダメですか?」


施設での勤務は長いよ。

いろんな人とも触れ合ってきたし、お陰様でたくさんの研修にも行かせてもらった。


それなりに介護については学んできてると思う。

男性については学びが足りないけど、失敗ばかりを繰り返してきてはいるけど。



「おばあちゃんの面倒が見たいんです…。あたしが大好きな人の…あたしを癒してくれる人の…大事なおばあちゃんだから……」



ーー胸が熱くなってしまった。

言い出しながら涙が自然と溢れてくる。

言わなければならいことはまだあるのに、どうしても先が続かない。



ーー拒否しないで欲しい。


ーーーあたしはただ……剛さんが好きなだけなの……。





「…ひぃっく…!」


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