『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
「…やっと来たの⁉︎ 」
パクトを手に持ったまま、女性の目線が彼を捉える。
「遅かったな。5分の遅刻だぞ!」
チッ…と小さな舌を打つのはグレーヘアの男性。
ネットで見た限り、この人が久城グループの代表取締役の長男で『仁』さん。
「兄さんは細かいね〜怖い怖い!」
ゆるいパーマをかけたイケメン男性は、確か三男の『聖』さんと載ってたはず。
女性からのオファーお待ちしております…とか、冗談めいた言葉が記載されてた。
「足の引っ張り合いは止めようぜ。それより剛、お前の横にいるのは誰だ?…恋人か?」
何人目だよ…と呆れるのが次男の『類』さん。
兄弟の中で一番の目利きだと言われてる人で、業界の方々から「神」とも呼ばれてる人らしい。
「あたし知ってる!この子きっと剛がお見合いした子よ!気が合いそうだとか言って、一緒に暮らしてた筈だけど〜?」
ルージュを引き終えた女性が、ポーチの中にリップを片付けながら言った。
この人がビスクドールを作った結華さんだ…と、改めて認識を深めた。
「今は一緒に暮らしてないよ。彼女には自宅へ帰ってもらった。お仕事もされてるし、ばあちゃんの面倒を見せるのは忍びないから」
マンションを出た理由として、剛さんが実しやかな嘘をつく。
その言葉に胸を痛ませながら、「初めまして。河本愛理です…」と名乗り頭を下げた。
「へぇ…愛理ちゃんか。宜しく。三男の聖です」
パクトを手に持ったまま、女性の目線が彼を捉える。
「遅かったな。5分の遅刻だぞ!」
チッ…と小さな舌を打つのはグレーヘアの男性。
ネットで見た限り、この人が久城グループの代表取締役の長男で『仁』さん。
「兄さんは細かいね〜怖い怖い!」
ゆるいパーマをかけたイケメン男性は、確か三男の『聖』さんと載ってたはず。
女性からのオファーお待ちしております…とか、冗談めいた言葉が記載されてた。
「足の引っ張り合いは止めようぜ。それより剛、お前の横にいるのは誰だ?…恋人か?」
何人目だよ…と呆れるのが次男の『類』さん。
兄弟の中で一番の目利きだと言われてる人で、業界の方々から「神」とも呼ばれてる人らしい。
「あたし知ってる!この子きっと剛がお見合いした子よ!気が合いそうだとか言って、一緒に暮らしてた筈だけど〜?」
ルージュを引き終えた女性が、ポーチの中にリップを片付けながら言った。
この人がビスクドールを作った結華さんだ…と、改めて認識を深めた。
「今は一緒に暮らしてないよ。彼女には自宅へ帰ってもらった。お仕事もされてるし、ばあちゃんの面倒を見せるのは忍びないから」
マンションを出た理由として、剛さんが実しやかな嘘をつく。
その言葉に胸を痛ませながら、「初めまして。河本愛理です…」と名乗り頭を下げた。
「へぇ…愛理ちゃんか。宜しく。三男の聖です」