『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
直ぐに寄ってきた人に握手も許さず、剛さんはあたしと聖さんの間に割って入った。
「彼女から俺たちにお願いがあるから集まってもらったんだ。テーブルの方に移動してくれよ。真面目な話らしいからふざけないで聞いてくれ。いいな!」
睨まれた聖さんが肩をすくめる。
その仕草が何処となく剛さんに似ていて、あたしは少しだけ笑みがこぼれた。
皆の集まってた部屋には楕円形のテーブルがあり、それにはクリームとブルーのクロスが重なるように掛けられてあった。
猫みたいな脚の椅子に全員が座ったのを確認して、長男の仁さんから改めて紹介された。
「初めまして甲本さん。長男の仁です。こっちは次男の類。さっきの無礼なのは三男の聖。向こうにいるのはうちの兄弟の紅一点で長女の結華」
それぞれの方と会釈を交わした。
三男の聖さんと結華さんは細身。仁さんと類さんは固太りといった感じ。
ぽっちゃりなのは剛さんだけ。それが何故かは分からないけど……。
「本日はお忙しい中、お集まり頂きまして有難うございました。剛さんからもお話がありました通り、今日はあたしのプレゼンテーションに皆さんの貴重なお時間を割いて頂くようお願い致しました」
施設のカンファレンス会議でいつも同じような事を言ってる。
毎度ながらに発する言葉は淀みなく出てくる。
最初から躓けない。今日は尚更にーー。
「彼女から俺たちにお願いがあるから集まってもらったんだ。テーブルの方に移動してくれよ。真面目な話らしいからふざけないで聞いてくれ。いいな!」
睨まれた聖さんが肩をすくめる。
その仕草が何処となく剛さんに似ていて、あたしは少しだけ笑みがこぼれた。
皆の集まってた部屋には楕円形のテーブルがあり、それにはクリームとブルーのクロスが重なるように掛けられてあった。
猫みたいな脚の椅子に全員が座ったのを確認して、長男の仁さんから改めて紹介された。
「初めまして甲本さん。長男の仁です。こっちは次男の類。さっきの無礼なのは三男の聖。向こうにいるのはうちの兄弟の紅一点で長女の結華」
それぞれの方と会釈を交わした。
三男の聖さんと結華さんは細身。仁さんと類さんは固太りといった感じ。
ぽっちゃりなのは剛さんだけ。それが何故かは分からないけど……。
「本日はお忙しい中、お集まり頂きまして有難うございました。剛さんからもお話がありました通り、今日はあたしのプレゼンテーションに皆さんの貴重なお時間を割いて頂くようお願い致しました」
施設のカンファレンス会議でいつも同じような事を言ってる。
毎度ながらに発する言葉は淀みなく出てくる。
最初から躓けない。今日は尚更にーー。