『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
「さぁ、お早く。きっと自室にこもっていらしゃる筈ですから」


背中を押されながら食堂を出た。
にっこりと笑ってウインクをすると、咲子さんは「頼みますね」とドアを閉めた。



閉められたドアの模様に見入ってた。

ぼんやりとして、何も考えれてなかったけど……



(『ゆる彼』を救わないと…!)


急にそう思い出した。


幼いの頃の傷を胸に抱いたままでいる彼を見つけて抱きしめる。
あたしの心を癒してくれた彼に、今こそ本当の意味で感謝をしたい。



今度はあたしが彼を癒す番。


そして、もう一度お願いしよう。




「剛さんと一緒に、この家で暮らしたい…」とーーーー。




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