『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
クラシカルな陶器製のシャム猫が二匹、眠そうに顔を洗ってるオルゴール。
唖然…として見つめてたら、買ってきた経緯を教えられた。
「三条さんとパリへ行った時に見つけたんだ。玄関先で眠そうに目を擦ってる君を思い出して買った。
カード払いじゃないよ。現金で支払った。君はカードが苦手だから、そんな買い方をしては失礼だと思って…」
話し合いが上手くいったら、これを渡してプロポーズし直す…そう決めてたのに、またしても番狂わせ。
君は本当に思い通りにならない人だよ…と、彼は可笑しそうに笑った。
受け取ったあたしは彼の思惑を知らずにいたことに、顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなった……。
(…穴があったら入りたい…)
まるで、あのお見合いの時と一緒だ。
破天荒な行動の先には、いつも恥ずかしさが待ってる。
ショボン…と肩を落として謝るしかない。
ドラマチックにもロマンチックにも程遠いけど。
「すみません。期待はずれで……」
言い方がマズかったのか、またしても彼が苦笑する。
何を言っても笑えるみたいで、あたしはどうしたらいいか分からなくなってしまった。
「…期待通りじゃなくていいよ。君がそんなだから選んだ。これからもその調子で頼むよ。その方が楽しいから」
食堂へ戻ろう…と手を取られた。
彼のことを見つめて、きゅん…と胸が熱くなるーーー。
「剛さん…!」
唖然…として見つめてたら、買ってきた経緯を教えられた。
「三条さんとパリへ行った時に見つけたんだ。玄関先で眠そうに目を擦ってる君を思い出して買った。
カード払いじゃないよ。現金で支払った。君はカードが苦手だから、そんな買い方をしては失礼だと思って…」
話し合いが上手くいったら、これを渡してプロポーズし直す…そう決めてたのに、またしても番狂わせ。
君は本当に思い通りにならない人だよ…と、彼は可笑しそうに笑った。
受け取ったあたしは彼の思惑を知らずにいたことに、顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなった……。
(…穴があったら入りたい…)
まるで、あのお見合いの時と一緒だ。
破天荒な行動の先には、いつも恥ずかしさが待ってる。
ショボン…と肩を落として謝るしかない。
ドラマチックにもロマンチックにも程遠いけど。
「すみません。期待はずれで……」
言い方がマズかったのか、またしても彼が苦笑する。
何を言っても笑えるみたいで、あたしはどうしたらいいか分からなくなってしまった。
「…期待通りじゃなくていいよ。君がそんなだから選んだ。これからもその調子で頼むよ。その方が楽しいから」
食堂へ戻ろう…と手を取られた。
彼のことを見つめて、きゅん…と胸が熱くなるーーー。
「剛さん…!」