『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
「先程の話の続きをさせて下さい」
隣に立つ女性は、目尻を赤くしたまま兄姉達に言った。
「おばあちゃんの記憶は、過去に帰ることはあっても、現在から先のことは覚えられません。
少しでも混乱なく生活できる場所に身を置かせて差し上げることが、一番の進行予防に繋がるんです。
…いずれは、ここが何処かも分からなくなってしまうかもしれない。でも、それまでこの家で過ごさせてあげたいんです。
この家をおばあちゃんの終の住処にしてあげて下さい!
何もかもおばあちゃんから取り上げないで下さい!
…それでなくてもおばあちゃんは、日々、記憶を無くしつつあるんだから…」
自分の身の置き換えたら恐ろしいでことです…と付け加えた。
何もかも分からなくなることへの不安は、本人以外は不明だ。
ーー誰かが祖母に代われるわけじゃない。
誰にも代わらない大きな悩みを持ってるからこそ、サポートが必要になるんだ。
彼女だけで不安なら外部サービスも利用する…と話した。
兄貴たちは渋い顔つきで俺たちのことを睨んでた。
「剛さんはどうされるのですか?」
長年この家で家政婦をしてきた咲子さんの言葉に振り向いた。
我が儘な俺に呆れながらも、一番良くしてくれた人。
ある意味ばあちゃんよりも世話になった。
だから今回もつい頼んでしまったーーー。
「俺もこの家で暮らすよ。だから彼女に任せてやって欲しい。家族としてここに住まわす。それなら構わないだろう?」
隣に立つ女性は、目尻を赤くしたまま兄姉達に言った。
「おばあちゃんの記憶は、過去に帰ることはあっても、現在から先のことは覚えられません。
少しでも混乱なく生活できる場所に身を置かせて差し上げることが、一番の進行予防に繋がるんです。
…いずれは、ここが何処かも分からなくなってしまうかもしれない。でも、それまでこの家で過ごさせてあげたいんです。
この家をおばあちゃんの終の住処にしてあげて下さい!
何もかもおばあちゃんから取り上げないで下さい!
…それでなくてもおばあちゃんは、日々、記憶を無くしつつあるんだから…」
自分の身の置き換えたら恐ろしいでことです…と付け加えた。
何もかも分からなくなることへの不安は、本人以外は不明だ。
ーー誰かが祖母に代われるわけじゃない。
誰にも代わらない大きな悩みを持ってるからこそ、サポートが必要になるんだ。
彼女だけで不安なら外部サービスも利用する…と話した。
兄貴たちは渋い顔つきで俺たちのことを睨んでた。
「剛さんはどうされるのですか?」
長年この家で家政婦をしてきた咲子さんの言葉に振り向いた。
我が儘な俺に呆れながらも、一番良くしてくれた人。
ある意味ばあちゃんよりも世話になった。
だから今回もつい頼んでしまったーーー。
「俺もこの家で暮らすよ。だから彼女に任せてやって欲しい。家族としてここに住まわす。それなら構わないだろう?」