『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
お見合いをすることにしたそもそもの理由。
彼となら幸せになれそうだと思った理由。
彼からも聞いてみたい。
どうして、あたしをお嫁にしようと決めたのか。
仁科の叔母に話してた通り、あたしと暮らしたら楽しそうでワクワクするってだけなのか…。
「……何してるのかなぁ。今頃…」
どんな夕飯食べたんだろう。
昼間のケータリングサービスの昼食みたいに、ビックリするくらい美味しいものなんだろうか。
「……あんなのあたし、作れないよ……」
一流レストランのシェフが作るようなメニュー。あんなのばかり食べてたんだとしたら、そりゃあんな体つきにもなるよねぇ…。
「くさらないコトにしよう…。今から勉強すればいいのだから…」
やっぱり手始めはクックパッドかなぁ…と、スマホを片手に検索しようとした。
手元が狂って押してしまったアプリが起動されて、あたしはドキン!と胸を打たれた。
そこに映し出されたのは、かつての自分。
職場のお年寄り達と一緒に、外へ出かけた時のものだ。
「や、やだ…消さないと…」
触れた指先に合わせて写真が捲られた。
楽しそうな笑顔の人達の中で、一人だけ疲れきってるあたしの顔。
歪むような口元で作られた無理矢理な笑顔に、ぎゅっと目と瞑ってしまった。
黙り込んで電源を落とした。
やっと職場からもSOSメールやLINEからも解放されて、本物の極楽ライフを手に入れたのに、呆気なく気持ちは落ち込んだ。
彼となら幸せになれそうだと思った理由。
彼からも聞いてみたい。
どうして、あたしをお嫁にしようと決めたのか。
仁科の叔母に話してた通り、あたしと暮らしたら楽しそうでワクワクするってだけなのか…。
「……何してるのかなぁ。今頃…」
どんな夕飯食べたんだろう。
昼間のケータリングサービスの昼食みたいに、ビックリするくらい美味しいものなんだろうか。
「……あんなのあたし、作れないよ……」
一流レストランのシェフが作るようなメニュー。あんなのばかり食べてたんだとしたら、そりゃあんな体つきにもなるよねぇ…。
「くさらないコトにしよう…。今から勉強すればいいのだから…」
やっぱり手始めはクックパッドかなぁ…と、スマホを片手に検索しようとした。
手元が狂って押してしまったアプリが起動されて、あたしはドキン!と胸を打たれた。
そこに映し出されたのは、かつての自分。
職場のお年寄り達と一緒に、外へ出かけた時のものだ。
「や、やだ…消さないと…」
触れた指先に合わせて写真が捲られた。
楽しそうな笑顔の人達の中で、一人だけ疲れきってるあたしの顔。
歪むような口元で作られた無理矢理な笑顔に、ぎゅっと目と瞑ってしまった。
黙り込んで電源を落とした。
やっと職場からもSOSメールやLINEからも解放されて、本物の極楽ライフを手に入れたのに、呆気なく気持ちは落ち込んだ。