『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
話してない理由(ワケ)
リビングの窓辺で、その人は止まった。
レースのカーテンをめくり、物珍しそうに外を見ている。
(よ、弱ったな…何から話せばいいんだろう…)
昨日きたばかりの孫の嫁です…と言って、信じてもらえるものだろうか。
(だからって、無視しとくのも変だし…)
渋々近づいてみる。
『ゆる彼』のおばあちゃんだと紹介された女性は、こちらを振り返って微笑んだ。
「…ユイカちゃん…」
「へっ⁉︎ 」
聞いたことのない名前で呼ばれて誰のこと…?と辺りを見回した。
考えてみたらあたししかいないのを思い出し、「いえ、人違いです…」と答えようとしたけど……
「来てごらん。お外がよーく見えるよ」
ほらほら…と手招きまでされるから、仕方なく寄っていった。
シルバーグレーヘアの女性はあたしの腕を取って、「ほらごらん」と窓の外を指差した。
「いっぱいお車が走ってるねー。おうちも沢山並んでるし、まるでオモチャ箱みたい!」
昨日の自分の感想と同じだと思いながら聞いてた。
何処かで覚えのある違和感を抱きながら、自分の名前を名乗った。
「あの…ご挨拶が遅れまして…。あたし、久城さんの……た、剛さんのフィ…フィアンセで、甲本愛理と言います。は、初めまして…」
ぺこりと一礼すると、きょとん…とした表情をされた。
分かって頂けなかったのかな…と考えてたら、「ああっ!」と感嘆の声を上げられた。
レースのカーテンをめくり、物珍しそうに外を見ている。
(よ、弱ったな…何から話せばいいんだろう…)
昨日きたばかりの孫の嫁です…と言って、信じてもらえるものだろうか。
(だからって、無視しとくのも変だし…)
渋々近づいてみる。
『ゆる彼』のおばあちゃんだと紹介された女性は、こちらを振り返って微笑んだ。
「…ユイカちゃん…」
「へっ⁉︎ 」
聞いたことのない名前で呼ばれて誰のこと…?と辺りを見回した。
考えてみたらあたししかいないのを思い出し、「いえ、人違いです…」と答えようとしたけど……
「来てごらん。お外がよーく見えるよ」
ほらほら…と手招きまでされるから、仕方なく寄っていった。
シルバーグレーヘアの女性はあたしの腕を取って、「ほらごらん」と窓の外を指差した。
「いっぱいお車が走ってるねー。おうちも沢山並んでるし、まるでオモチャ箱みたい!」
昨日の自分の感想と同じだと思いながら聞いてた。
何処かで覚えのある違和感を抱きながら、自分の名前を名乗った。
「あの…ご挨拶が遅れまして…。あたし、久城さんの……た、剛さんのフィ…フィアンセで、甲本愛理と言います。は、初めまして…」
ぺこりと一礼すると、きょとん…とした表情をされた。
分かって頂けなかったのかな…と考えてたら、「ああっ!」と感嘆の声を上げられた。