『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
あたしは彼にずっと憧れてた。
いつも優しく病気のことを教えてくれる。
疲れて落ち込んだりしてると、すぐに気づいて軽いジョークを飛ばしてくる。
何よりも利用者には親切で、最高の笑顔で接していた。
あたしはそんな彼に、敬意に似た思いを抱いていた。
ーーーでも、それは完全な外面だった。
付き合い始めて、あたしは彼の本心を知った。
…武内は、認知症患者のことを『あいつら』呼ばわりするのが癖だった。
いつも何処か馬鹿にしたような感じで話し、最後の締めは必ず同じ。
『何言ってもすぐに頭から抜けるんだ。言っても言わなくても一緒だよ!』
最低な人種だと思った。
優しくて親切そうなのは表だけ。
裏の顔は黒くて汚い言葉しか吐かない。
そんな彼といるのが嫌になり、自分から別れを切りだした。
「あたし…もう武内さんについていけません。お願いだから別れて下さい!」
理由を話すと逆上されそうで言えなかった。
酔うと時々手が出そうになる彼のことを十分知ってたから。
「別れる⁉︎ 冗談!何でだよ。ヤダよ…」
甘えてこようとする彼を突っ撥ねた。
プライドの塊だった彼はその行為を怒り、あたしを罵り始めた。
「俺と付き合ってたら院長夫人になれるかもしれないって喜んでたの誰だっけ?散々飲み食いする金出してやったのに、それを全部チャラにしろってのかよ!
一回だけヤらせろよ!そしたら別れてやってもいいぜ!」
いつも優しく病気のことを教えてくれる。
疲れて落ち込んだりしてると、すぐに気づいて軽いジョークを飛ばしてくる。
何よりも利用者には親切で、最高の笑顔で接していた。
あたしはそんな彼に、敬意に似た思いを抱いていた。
ーーーでも、それは完全な外面だった。
付き合い始めて、あたしは彼の本心を知った。
…武内は、認知症患者のことを『あいつら』呼ばわりするのが癖だった。
いつも何処か馬鹿にしたような感じで話し、最後の締めは必ず同じ。
『何言ってもすぐに頭から抜けるんだ。言っても言わなくても一緒だよ!』
最低な人種だと思った。
優しくて親切そうなのは表だけ。
裏の顔は黒くて汚い言葉しか吐かない。
そんな彼といるのが嫌になり、自分から別れを切りだした。
「あたし…もう武内さんについていけません。お願いだから別れて下さい!」
理由を話すと逆上されそうで言えなかった。
酔うと時々手が出そうになる彼のことを十分知ってたから。
「別れる⁉︎ 冗談!何でだよ。ヤダよ…」
甘えてこようとする彼を突っ撥ねた。
プライドの塊だった彼はその行為を怒り、あたしを罵り始めた。
「俺と付き合ってたら院長夫人になれるかもしれないって喜んでたの誰だっけ?散々飲み食いする金出してやったのに、それを全部チャラにしろってのかよ!
一回だけヤらせろよ!そしたら別れてやってもいいぜ!」