『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
目の前にいるお年寄りには、あたしのプライベートも仕事の多さも関係なかったのに八つ当たりばかりしてた。




…何もかも、あたしが全部間違ってた……。


なのに、またお年寄りと触れ合わないといけない。


『ゆる彼』とのんびり暮らしたいと願った、この部屋の中でーーーー。






「……ユイカちゃん、今夜は何食べようか?」


久城さんのおばあちゃんは、あたしを孫だと信じたまま接してくる。

優しくされる様な人間じゃないのに、まるでホントの祖母のように甘えさせてくれる。


…あたしは心が苦しい。

久城さんに話せないワケが多くて、何もかもが辛い。

話してしまえば、きっと嫌われる。

やっと理想の人に出会えたのに、それだけは困る。




癒されると思った途端、癒されもしないうちから大きな荷物を背負い込んだ。


今度こそは逃げられない。

24時間張り付いて、あたしをずっと追いかけてくる。



こんな場所なのに……。


あたしの癒しの場所なのに………。



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