〔B L〕朽ちた無花果
「2人とも、やめてください!
なんでそうお互いを挑発しあうんですか!」
「コイツがキモいから。」
「失礼だな。
俺はこれでもアイドルなんだけど?」
「その格好じゃ、どうせおしのびだろ?
なんなら窓からアンタのこと叫んでやろうか。」
「それはやめて僕の診察室が人でごった返すから!」
「この間君に借りを返そうと思って来たんだけどね、意外にも晴さんと話が合うから友達になったんだ。」
話なんてほとんどなにもしてないじゃないか…。
「佐那斗君もマヤさんも、もうやめてください…。
マヤさん、今は佐那斗君の診察中です。
勝手に入ってこられては困ります。
次入ってきたら怒りますよ!」
「フッ、怒るだけなんですね。
可愛い人だ。」
「かっ、かわっ…!//////」
いいいいやいやいや!
なに顔赤くしてるんだ僕は!
これがアイドルの破壊力というヤツか…!
「…やっぱり。
晴さんのそういう顔、結構クるな。
俺、好きですよ。」
そう言ってマヤさんは、僕が両腕で隠した赤い顔を、僕の両腕を掴んでわざわざおおっぴらにした。