〔B L〕朽ちた無花果
「お、大人をからかうのはやめてください!」
「大体、同い年なんですから敬語やめませんか?」
「い、嫌です!
何事も、線引きは大事ですから!」
「そんなこと言わずに。
敬語やめてくれなきゃ、離しませんよ。」
「そ、そんなぁ~…。」
僕が落ち込むと、マヤさんはクスッと笑った。
そのとき。
ガシッ
「…嫌がってんだろ。
離せよ。」
何とも頼もしい、佐那斗君は神か…!
「…君、佐那斗君だっけ?
意外と力強いね。
でも…所詮は高校生。
君にはなにもできないよ。」
佐那斗君のおかげで、マヤさんは手を離してくれた。
でも、今の言葉は聞き捨てならない。
僕は佐那斗君とマヤさんの間に割って入った。
佐那斗君をマヤさんから隠すように。