〔B L〕朽ちた無花果
「はいはい…」
「じゃ、…っ、その、」
?
升也さんは、少しどもった。
…ああ、そっか。
「行ってらっしゃい、升也さん。」
「さんはやめろって。
…い、行ってきます。」
そう言って、升也さんはピシャッとドアを閉めた。
升也さんの照れ顔、かわいいー!!
またまたレアだ、すっっごくレアだ…!
良かった、僕に本当に心を開いてくれたみたいだ。
案外早かったけど、まあ好きでキャラ作ってるって言ってたし、そんなに死ぬほど悩んでるわけじゃないのかも。
でも、ずっと笑ってるのは確かに辛いかも知れないなぁ。
苦しいときも、悲しいときも、笑わなきゃいけないなんて。
アイドルっていうのは、僕が思う想像以上に厳しい世界なのかも知れない。
(僕が、なにか…升也さんにしてあげられることって、ないのかな。)
そんな事を思いながら、次の患者さんを迎えた。