〔B L〕朽ちた無花果
「えぇっ、佐那斗君!?」
「ドーモ。」
なんで…?
今日は木曜なのに。
まさか、自分から来てくれた…?
きてくれた…!!
「佐那斗君~~~~~~!!」
「うわっ、ちょ、ちょっ…!」
僕は佐那斗君に思いっきり抱きついた。
佐那斗君は僕の腕の中で少しもがいた後、大人しくなった。
「自分から来てくれるなんて、嬉しいよ…!」
「あっそ。
別に、暇だったから。」
「そっかぁ、そっかそっかぁ!」
「離して、苦しいんだけど。」
「あぁ、ごめんごめん。」
「あの…今日は俺、アンタに頼みがあって来たんだ。」
「?」
急に真顔になって、それから、佐那斗君は少し困ったような顔をした。
「…明日、授業参観があって。」
…それに、僕がでろって事か。
本当は保護者である施設の人が行かなきゃいけないんだけど…。
施設の人には来て欲しくないんだよね。