〔B L〕朽ちた無花果



«佐那斗side»



ザワザワ…

俺の教室の後ろにはすでに、香水臭いオバサンや加齢臭を漂わせたオッサンがぎっしりと詰め込まれている。

先生は、まだその中にはいない。

…なにやってんだよ、アイツ。
本当に、来てくれんだろうな。

まさか…急に仕事が入って、とか…。

それとも、昨日の約束を忘れた?
いや、それはないだろ。

アイツのことだ、今頃寝坊して慌ててるにちがいない。

…て、なんで俺がこんなにアイツのこと考えなきゃいけないんだよ。

あーあ、ホント、なんなんだこれは。
なんで俺、こんなにアイツの事考えてんだ。

ウザいから?
キモいから?

違う。

じゃあ、どうして_______

そんな事を思いながら何気なく後ろを向くと、そこには。


「_____あ、」

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