〔B L〕朽ちた無花果
俺は病気かもしれないって、言った方がいいのか?
コイツ一応医者だし。
「…なぁ、俺病気かもしれない。」
「え…え!?
どんな、何の病気なの!?」
「いや…なんか、その人のこと考えると鼓動が速くなったり、胸が締め付けられるように痛くなる。
これって俺、なんかの病気だよな?」
「それって…他に体に異常はない?」
「ソイツの前だと……」
“晴さん”
本当は名前で呼びたいのに。
本当はもっと甘えたいのに。
本当はもっと、好かれたいのに。
「素直に、なれない。」
「それは…!
おめでとう佐那斗君!
それはね、恋だよ!」
「こ、こい?」
恋…って、俺が?
コイツに?
そもそも男同士で恋なんて…有り得ないだろ、俺が…ホモ?
「佐那斗君もついに恋したのか~…!
で、お相手はやっぱりクラスの子?」
違うよ、アンタだよ。
…アンタのこと考えると、男同士とかどうでもよく思えてくる。
やっぱり、俺は…好きなのか?
篠崎晴のことを。