〔B L〕朽ちた無花果
…っていやいや、有り得ない有り得ない。
なんで俺がコイツなんか。
「恋じゃない。」
「え?」
「絶っっっ対恋じゃない!」
「う、うん…?」
なんでそんなに強く否定するんだろう、もしかしてよくないこと言っちゃったのかな。
って顔に書いてある。
…フン、分かりやすいにもほどがあるよ。
「アンタってホント、分かりやすいよな。」
その上バカで、お人好しで…
呆れるほど、綺麗な人間。
俺が腐ってから出会った人間の中で、多分一番信用してる。
それは俺にも分かってる。
でも、それでもまだ、分からない。
俺の秘密を話したら、コイツはあの目で俺を見るんだろうか。
嘲笑の目。
蔑みの目。
哀れみの目。
…そうして俺を慰めて、自己満足して離れていく。
皆そうだった。
アンタもそうなのか?