〔B L〕朽ちた無花果

「俺、この学校の保健室に居座ってるから。」

「え、佐那斗君の…!?
奇遇だね、佐那斗君は僕の友達なんだ!」

「友達、ね…?」

「患者。」

「なるほど。」

それよりも…

「俺とハルがどんな関係か知りたい?」

「…別に。」

見抜かれた。
コイツ、やっかいだな。

「あぁ、僕とたか君は幼なじみなんだ!
小学校…1年くらいからかな!」

幼なじみ…
それって、つまり、晴さんのことを一通りは知ってるって事だよな。

「…ガキ、名前なんつったっけ?」

「ガキなんて、僕の患者さんに失礼だよ!」

「…葉塚。」

「そうか。
ガキは早く帰っておまんま食って寝てろ。」

「そういう言い方…!」

「ハルはいいから。」

無言の圧力があった。

お前がここにいるな。
そう言われた気がした。

「…それじゃ。」

「あっ、佐那斗君…!」

「じゃあな、センセ。」

俺は2人に背を向け、施設へと向かった。
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