〔B L〕朽ちた無花果
「…ハルも、さっき言ってただろ。
俺達は幼なじみだって。
幼なじみが辛いのは俺も辛い。
だからって俺になにがあったか言えなんて意味じゃないから。
大体の予想はつく、だから___
だから、泣きたくなったら俺のとこに来い。
…保健室で待ってるから。
な?」
「…うん。ありがとう、たか君。」
「じゃあ、俺はこれで。」
たか君は、保健室に戻っていった。
懐かしい顔だったなぁ…
あまり顔が変わってないね、たか君。
昔っから大人びた顔してたし…
それにしても、この再会は…喜んでいいのかな。
それが僕にはわからない。
僕がこの仕事に就いてからは、僕の過去を知る人なんて1人もいなかったからね。
だから、過去から逃げてこられた。
(…もうそろそろ、追いつかれそうだ。)
もしかして、あんな夢を見たのもその暗示かも知れない。
“お前なんて誰も必要としてないんだよ”
…あれは、幼い頃の僕だ。