君との約束
朝学校には行かずミヤビの病室に向かった。
「おはよう」
「裕太…学校は?」
心配そうに起き上がる。
俺は、ミヤビに近づいた。
「これからもよろしくね?」
「え?」
びっくりしているミヤビを見て、俺は微笑んだ。
「………うん」
照れくさそうに言うミヤビを見て、俺は前よりミヤビを好きになった気がした。
俺は、病室を出てミヤビの家に向かった。
チャイムを鳴らすとお母さんが出てきた。
俺は、軽く頭を下げた。
「どうしたの?」
「あの、俺……これからもミヤビさんを支えます。それを、言いに来ました。」
少し、びっくりしたような顔をしてニコリと微笑んで「そう、ありがとう。」と言った。
家に上がる?と聞かれたが俺は断って学校に向かった。
もうそろそろ学校は終わりに近い時間だった。
ミヤビん家から、学校はそう遠くない。
俺は、急いで学校に向かった。
ガラッ
図書室には、誰もいなかった。
りなも。
俺は、一休みして自販機に飲み物を買いに行こうとした時図書室のドアが開いた。
りなが見える。
「早かったね?」
おれは、少し微笑んでそう言うとりなは、今にも泣き出しそうな顔をする。
俺は、続けて話す。
「そ~いえば、初めて喋ったのもここだったね?」
「や…だ…」
りなは、そう言うと泣き崩れた。
「泣かないで?」
頼む。
泣かないでくれ。
ごめん、りな。
こんな俺を許して?
「スキ…好きで好きで…大好きなのに…裕ちゃんは……裕ちゃんの気持ちが分からない。私は…好きなのに…裕ちゃんは、私の事…もて遊んだの?私…何回も諦めようって思った…でも、無理で大好きで…でも、裕ちゃんには彼女がいて、何回も思った、私が裕ちゃんの彼女だったらってミヤビさんじゃなくて私だったらって…本当に大好きで…」
ごめん。
違うんだよ。
俺は、ただりなに、惹かれただけなんだ。
「ごめん…そんなふうに思ってたんだねっ…俺、ミヤビのことすきだった。でも、りなと会って話して気になったんだ…りなのこと。メールが、返ってこないと心配したりした。でも、きっと初めてあった時から好きだったのかもしれない。合格発表の時に見たりなの笑顔が頭から離れなかった。その時から好きだったんだ…」
おれは、思っていた気持ちを伝えた。
そして、俺が下した決断も
「俺ミヤビとは、別れられない。だから、お別れ言いに来たんだ。」
「いやっイヤだょ…いわないでぇ…」
ごめん。ごめん。
「ありがとう。こんな俺を好きになってくれて…好きだって言ってくれて…俺も好きだったよ。ばいばい。」
泣き崩れたりなを俺は抱き締めた…。
「裕ちゃん…裕ちゃん…」
「りな…ごめんね?」
俺は、そう言って図書室を後にした。
ドアを閉めて俺はぺたりと座った。
床は、冷たかった。
泣いているりなの、声を聞きながら俺も涙を流した。
ごめん。
ごめんな。
こんな俺で本当にごめん。
りなが、出てくる前に俺は学校を後にした。
学校を出て家に向かう途中何度もりなのもとに戻りたくなるのを必死でこらえて家に向かった。