マスク男子
観覧車も地上にたどり着き帰路につく
郁くんは、しっかり私を家まで送ってくれた
「えっと…送ってくれてありがとう。あと、デートしてくれてありがとう。楽しかった」
「ん、俺もそれなりに楽しかった。じゃ、また明後日な」
そう言って郁くんは、自分の家の方に歩き出そうとした
が、その手を捕まえて私は郁くんを引き止めた
「ん?どーした?」
「あ、あのね…また、デートしたい」
ただそれを言いたかった
今日のデートは郁くんの気まぐれかもしれない
だから、次の約束をしたい
郁くんはなんて答えるのかな?
「そーだな。次はどこに行きたいか考えとけ」
「!!」
そう言った郁くんは私の頭を撫で、"じゃぁね"っと言ってから帰って行った
あの返答は…デートしてくれるって事だよね?
「うへへっ」
あー、ダメだ
頬の筋肉がゆるゆるだ
今日はとても幸せな1日だった