マスク男子
迷子
時刻は10時30分
郁くんに待ち合わせ場所まで連れてきて貰ったのは、30分前の事
そして、今…私の隣に居るのは明堂くん
「ランチは俺の親戚のレストランなんだ。ちょっと敷居が高いけど…緊張しないでもいいからね?」
「え、あ、うん」
商店街を歩く間、明堂くんはずっと喋ってくれている
でも、私はまるで集中出来ていない
ここの商店街、意外と面白いお店がいっぱいある
あ、あの猫の置物可愛い…
あ、その隣のネズミの置物もなかなか…
ん?あれは犬の箸置き?!いいなぁ…
「高城さん?」
「あ、ごめんなさい!」
気付いたら脚が止まってたらしい
数メートル先で明堂くんが待っている
さっきからこんな事ばかりしている…