マスク男子

玄関を開けると郁くんがいた


「お待たせ郁くん!」

「準備万端だね。まだ、バタバタ準備してると思ってた」

「うん、バタバタするの嫌だったから早めに準備したの」


デートの時間を削るのは嫌だからね
だから、早くお祭りに行きたいのに…


「ま、真妃…門限は19時だぞ」


お父さんが現れた
しかも、急に門限とか言い出した
そんなの言われたこと無かったのに


「お父さん、19時に花火開始だよ?それじゃ花火見れないよ」

「花火終わったらすぐ帰るんだぞ?」

「うん、帰るよ」


私が返事をしたから、これで解放されると思ったのに…


「郁…」

「お久しぶりです、颯太さん」


お父さんの標的が郁くんに移った


「…ちゃんと帰してね?無傷で」

「大丈夫ですよ、ちゃんと無事にお届けします。」


郁くんがお父さんに向かってお辞儀をする


「行くよ、真妃」

「あ、うん!じゃ、行ってきます!」


玄関に立ち尽くすお父さんに手を振って、元気よくお祭りへと向かった




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