マスク男子

さて、そろそろ俺も限界です

真紀が田中と楽しそうにしてるのが嫌
少し距離が空いた為、真妃の匂いが遠退いて余計な匂いが鼻につくのも嫌

何より、田中と真妃が恋人同士に見られてるのが嫌


「悪い、佐々木さん。俺、そろそろ限界だから…真妃連れてくね」

「うん、私もなんか無性にジローをぶん殴りたい気分だから…連れてく」


田中、ぶん殴ぐられる回数が少なければいいね
そんな事を思いながら、真妃に近付き腕を引いた


「ん?郁くん?」


真妃の右手には半分になった大判焼き
左手には綿あめ

これでは、手すら握れない…


「真妃…人のいないところ行こう?」

「あ、ツライ?!ごめんね?えっと…どこがいいかな?」


真妃が近くに居れば大丈夫だけど、ここは勘違いさせておく

キョロキョロしながら人気のない所を探そうとする真妃

一生懸命な姿が面白くて…可愛い


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