マスク男子

「たぶん、池の方なら空いてる」

「じゃ、池行こう!サキちゃん、田中くん、また学校でね!」


真妃は真っ先に俺を最優先にしてくれた
さっさと二人と別れて池の方に行こうとする

が…


「真妃、そっちじゃない」

「え?そう…なの?」


真妃の頭の中のコンパスは今日も壊れてる
だから、俺が連れて行く

真妃の手にある綿あめを取り上げ、空いた手を俺が掴む

一瞬驚いた真妃だったが、すぐにふにゃっと笑った


「えへへっ」

「手繋いだだけでニヤケ過ぎ」

「だって、嬉しいもん」

「…良かったね」


浴衣を着ている真妃の歩調に合わせて歩く
それすらも嬉しいらしく、池に着くまでずーっと笑っていた




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