マスク男子
「んっ…ふぁ…はぁ…はぁ…」
「理解した?」
呼吸乱れまくりの真妃に問う
が、真妃は酸素を摂取するのに必死らしい
仕方がないな…
ド直球で言ってあげよう
「真妃」
「…?」
呼吸するのに必死な真妃は、視線だけで返事をする
それを確認してから言葉を続けた
「…好きだよ」
「?!!」
真妃の目が大きく見開かれた
やっと理解したみたいだね
すると、そのタイミングで大きな破裂音が響いた
花火が始まった
色々なカラーの花火が夜空を飾る
大きな音、明るい光、花火の火薬の匂い
ベンチに座ったまま夜空を見上げる
すると、真紀が俺の腕を引く
「郁くん…ありがとう。あのね…私も好きっ」
「うん、知ってる」