マスク男子

「…私…臭い?…私、郁くんに嫌な思いさせたくない」


つい、郁くんとの距離を空けてしまう
すると、郁くんは言う


「あんまり、こーゆう事言いたくないんだけど…」


本当に言いにくそうに郁くんは口籠る
うぅ…やっぱり私の匂いダメなんだ…


「おまえの匂いは…好きなんだよね。好きな匂いだから嗅ぎ分けられるし、居場所も分かる」

「…ぇ?」

「昔、言わなかった?"真妃ちゃんは僕の好きな匂いがする"って」

「ぁ…」


言われた


「安心しろよ。昔も今もおまえの匂いは不快じゃない。むしろ好みだ」


そう宣言され
私は嬉しくて思わず体が動く


「郁くん!!やっぱり、好きー!!」

「あー!もう!くっつくなー!」


何回目か分からない告白と共に、私は郁くんに抱き着いた


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