マスク男子
余裕を持って家を出た私は、郁くんのお陰で早々に学校に着いた
「真妃ちゃん!真妃ちゃん!真妃ちゃん!」
みんなが登校してくる中
サキちゃんが凄い形相で私の前に立った
「おはよ…サキちゃん…どーしたの?」
「聞いたんだけど…真妃ちゃん、藤野くんと登校してきたの?」
部活朝練組に目撃されてたらしい
「うん、郁くんと来たの!」
「うわぁ…マジだった…昨日散々逃げられてたのに、何が起こったの?」
何が起こった…?
んー…
「郁くんの優しさに漬け込んだ」
「?!ま、真妃ちゃんが?…藤野くんを?!」
あれ?
なんか間違えた?
サキちゃんがドン引きしてる
「私、迷子癖があるの。で、郁くんはそんな私を放って置けなかったんだと思うの」
「あ…そーゆうことか…ビックリした…真妃ちゃんが魔性の女なのかと思ったよ」