マスク男子

「じゃ、今日はこのへんで終わりにしよう!」


サキちゃんの声で、みんながバラバラと音楽室を出て行く


「ねぇ、郁くんはいつもマスク着用で歌ってるの?」


サキちゃんに疑問をぶつけると、困った顔で言う


「うん。苦しそうなのにね?」

「だよね!ちょっと郁くんに相談してくる!」

「えっ…ま、真妃ちゃん?!」


後ろでサキちゃんが止める声が聞こえる
けど、動き出したら止まらない私


「郁くん、郁くん!」

「ん?」


まだ、音楽室に残っていた郁くんを捕まえる


「歌う時、マスク苦しくないの?」

「若干苦しいよ?」

「じゃ、外せばいいんじゃない?」

「うーん…ココ換気悪くてね…色々な匂いが混ざってキツイ」


苦笑いの郁くん
そっか…苦しくても外せないのか




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