マスク男子
「真妃、ちょっと来て」
パンダ状態の郁くんに呼ばれる
どーしたのかな?
「何?」
郁くんに近付き首を傾げる
「教室出るまでの間…俺の側にいてくれる?」
「ん?うん?」
嬉しい言葉だが、何やら違和感が?
「久々にマスク外してるから鼻がビックリしてる。妙に鼻に付く臭いも混じって…気持ち悪くなりそう」
小声で郁くんが言う
でも、臭いが混じって気持ち悪くなるのに…
私が側にいていいのかな?
そんな疑問が顔に出たのか郁くんは説明する
「真妃の匂いは、他の匂いを一蹴する位強い香り。だから、俺の側にいて匂いを振り撒いて?」
「…よく分からないけど、わかった」
とりあえず、郁くんの近くに私が居ることで、郁くんが辛い思いをしなくて済むなら側に居よう