マスク男子
「高城さん。俺、やっぱり諦め切れないんだ。君が好きなんだ」
明堂くんの言葉に女子達の声が鳴り響く
昨日も言われた言葉
でも…やっぱり私は…
「噂は知ってる。藤野と付き合ってるんだろ?だから、宣戦布告する」
今度は郁くんに目線を変える明堂くん
「藤野。悪いけど…高城さんは俺が貰うから」
「………」
郁くんは何も言わない
でも、眉間に皺が寄ってる
不機嫌な証拠だ
そりゃそーだよね…
付き合ってもないのに宣戦布告されてもね…
「あ、あの…明堂くん!私は郁くんが好きなの…だから…その…」
「うん、でも…振り向かせてみせるよ」
それだけ言うと、明堂くんは教室を出て行った
…どうしよう
「郁くん…どーしよう?」
「何が?」
「私、アタックされる側なんて初めてだよ」
「そうだね、俺も驚いてる」
「何に?」
「………秘密」