マスク男子

「高城さん。俺、やっぱり諦め切れないんだ。君が好きなんだ」


明堂くんの言葉に女子達の声が鳴り響く

昨日も言われた言葉
でも…やっぱり私は…


「噂は知ってる。藤野と付き合ってるんだろ?だから、宣戦布告する」


今度は郁くんに目線を変える明堂くん


「藤野。悪いけど…高城さんは俺が貰うから」

「………」


郁くんは何も言わない
でも、眉間に皺が寄ってる
不機嫌な証拠だ

そりゃそーだよね…
付き合ってもないのに宣戦布告されてもね…


「あ、あの…明堂くん!私は郁くんが好きなの…だから…その…」

「うん、でも…振り向かせてみせるよ」


それだけ言うと、明堂くんは教室を出て行った
…どうしよう


「郁くん…どーしよう?」

「何が?」

「私、アタックされる側なんて初めてだよ」

「そうだね、俺も驚いてる」

「何に?」

「………秘密」






< 77 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop