マスク男子
そして、迎えた初デートの日です
「お母さん、私大丈夫?変じゃない?」
玄関前で最終チェック
お母さんに確認してもらう
「うん、大丈夫よ。楽しんできてね。あと、郁くんによろしくね」
「うん!行ってきます!」
玄関を出て扉が閉まるその隙間から、お父さんのこの世の終わりみたいな顔が見えた気がした
…うん、気のせいだよね?
「あ、綾乃…?今、真妃…凄くおしゃれして…」
「うん、デートだって」
「デっ?!え?!彼氏…?!ま、真妃に?!え、嘘…彼氏?!えぇ?!だ、誰?!」
「颯太の友達のお子さん。郁くん」
「あぁ…やっぱりアイツが持ってくのか…子供の成長が早い…どーしよ…」
閉まった扉の向こうではそんな会話がされていた
しかし、それが私の耳に届くことは無かった