マスク男子

「で?どこに行きたいの?」


郁くんが問う
が、私は黙る

実は決めてない
正確に言えば決められない

本当は行きたい所はある
けど…人混みは郁くん嫌だろうし

そーなると、開放的な所かな
だから、えっと…


「公園…?」

「嘘だな」


真顔で即答された


「えっと…公園で爽やかな風に当たりたいなぁって」

「で?本当はどこに行きたいの?」


全く会話が成立してない
そして、郁くんに見透かされてる


「俺に気なんて使うなよ。真妃はどこに行きたいの?」


柔らかい口調で郁くんが優しく促す

…いいのかな?
そう思いながら私は口を開いた


「あのね…ショッピングモールに行きたいの」








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