さよなら、先生
「先生な実は…、あ………、いや、何でもない」
「え?………何ですか?言って下さいよ。途中で話すのを止められるのって気持ち悪いです」
「あぁ、まぁそうだよな」
そう言った先生はチラッとバツが悪そうに私を見てから、話し出した。
「佐々木にとったら気持ち悪いかもしれないが先生な実は佐々木と始めて会った時、結構気になってたんだ」
「え?」
「イヤ、まぁ…、変な意味じゃないんだ。あぁー、何だろうな?」
先生は首を傾げながら、雨に濡れ始めた目の前にあるイチョウの木を見上げる。
そしてポツリ…、と言った。