さよなら、先生


「………まだ帰ってなかったのか?」

「んー、ちょっと用事があったもので」



ニヘッと笑いながら私の足が、ゆっくりと先生のもとに向かって歩いて行く。


近づくにつれ、徐々に私の胸の鼓動が早くなってきた。




ドキドキドキ---


先生はこんな私の気持ちに全く気付いていないんだろうな…と思いながら、先生の正面に立ち見上げた。



見た目は普通で望月先生ほどモテてはいないけど、それでも影でこの先生の事が好きだと言っている生徒が幾人かいる事を私は知っている。



きっとその子達は、無愛想だけど凄く優しい先生だと言う事を知っているから好きなんだろうな。

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