さよなら、先生


「あ、先生の肩に葉っぱがのっかってるよ」

「あぁ、すまん。…ありがとな」


そう言って私は先生の肩にのっていた黄色に少し赤色の入ったイチョウを摘み上げると、先生からはお礼の言葉が返ってきた。



それに笑顔で答えながらもそっと先生にばれないよう…、

自分のポッケの中に、手に取ったイチョウの葉を入れた。



これで枝折でも作ろっかな?


なんて心の中でそんな事を思っていると、先生はまた空を見上げた。



暗い影を作っているその顔からは表情が全く読み取れない。



何かあったのだろうか?


< 3 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop