嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
身体をオレにすり寄せて眠る千雪。
金曜日の夜、取引先との忘年会で午前様だったオレは昼飯が終わった後つい寝てしまった。
気が付くとブランケットがかけられて、すぐそばには千雪の寝顔。暫くその可愛い寝顔を見つめて、風邪でもひかせては大変だとブランケットを千雪に掛ける。
寝ている間に買い物に行ってきてやろうと壁に掛かっている鍵を拝借して卓袱台に置いてある千雪のスマホにメッセージを送っておいた。
時間にして30分ほど。
帰ってきたオレの目に飛び込んできたのは、黄昏の部屋で静かに涙を流す千雪。
泣いている理由を聞こうと近寄ると身を捩って逃げようとするから無理矢理抱き締める。
理性が弾けた。
か細い頼りない身体を自分のテリトリーに入れてしまうと、もうダメだった。自分で止められないのが解っていたから、千雪に判断を委ねたけれど、組み敷かれたオレの下から潤んだ瞳で見上げてくるだけ。
それを了承ととったオレは狡い。