嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
「オレ、成海さんが事務でついてくれてることで凄い羨ましがられるんですよ。高木がついてるヤツなんて最悪だって愚痴ってるんですから」
「・・・・・なんか返事に困る・・・・・」
「というわけで日頃の感謝と先日の接待のお詫びと今日の無理を聞いてもらうお礼ということで少し早めのクリスマスプレゼント」
コトリとデスクの上に置かれたのは小さなチョコレートの箱。
「えらい盛ってくれたけどコレ、神林くんの取引先のお菓子やない。貰い物でしょ」
「クリスマス限定バージョンっすよ。なんか手に入りにくいって」
「ありがと。貰い物でも嬉しいです」
チョコレートの箱を捧げ持つようにしてお礼を言った。
「成海!」
「はい」
急に強く呼ばれて思わず立ち上がった。
「資料室で探したい資料あるから手伝って」
池上くんが少し離れた場所に立っている。
「主任!わたしが一緒に行きますぅ」
慌てて駆け寄ろうとすると鼻にかかる声で清美ちゃんが言う。