嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


おまけに久々だからと前日にはサークルの同窓会まで。どうせ披露宴の二次会で殆どのメンバーが集まるのにだ。

三条は学部は違うけれど大学もサークルも同じで、今回2人で同窓会の幹事を任されていた。

学生時代によくみんなで集まったカフェを会場に選んだ。

「池上、三条、幹事お疲れさん」

無事会が始まりようやく一息ついた頃、仲が良かった奴らが周りに集まり始める。

現在どうしているかとか、昔話に花が咲く。家庭を持っているヤツも少なくない。

「で、モテ男の池上はどうなんだよ?大阪でカノジョできたのか?」

「東京で付き合ってたのは捨てたのか?」

好き勝手言われて苦笑いしかでてこない。

「でも池上くんてストーカー体質の女の子に悩まされたことが何回かあったよね?」

「あー!覚えてる。1年のときS女の澤村だっけ?」

「ストーカーって・・・・・」

人の過去の不幸話でアルコールも適度にまわった周囲が盛り上がり始めた。

「あたし見たんだよねー、池上くんてちょっとガードが緩いってかいい加減なとこあったじゃない?携帯とかバッグとかサークル部屋に置きっぱなしにしてどっか行っちゃったりとか」
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