嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜


さすがに週末一緒にいて、笑っていられる自信はなかったーーーーー。




「で?何が原因?」

目の前には白衣を着た笑顔の大魔王。

目が笑っていなくて怖いので布団を被って視線を遮る。

「しっかりがっつり発作なんやけど?よくもまあ仕事を定時までして電車乗って京都まで帰ってきたよな」

「凄い精神力でしょ、褒めて」

「アホかっっっ!!途中で倒れなかったのはたまたまだ!今回は入院だからな!」

「・・・・・・・・・・月曜日仕事はーーーー」

「休めっ!!オレが電話してやる」

「いいっ・・・・・げほっ・・・・・自分でできる」

健太郎さんがいなければいいのになという淡い期待は見事裏切られ、きっちり帰り支度をしていた健太郎さんを看護師さんが気を遣って呼んでくれた。

健太郎さんの指示で入院が決まり、手続きを主治医自らがやってくれる。

「義母さんに電話して入院の用意持ってきてもらうから」

ああ、また迷惑をかけてしまう・・・・・。


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