嘘つきスノウ 〜上司は初恋の人でした〜
10年前のあの日に還って迂闊なオレを殴ってやりたい。
全てが胸にストンと落ちてくる。
目の前で相変わらず小さな肩を震わせて泣く千雪を力一杯抱き締めた。
「千雪・・・・・ごめん、ホントごめんーーー!」
雪の中、来ないオレを待って、長い時間待って
身体を壊して大学も1年遅れて・・・・・。
どこから話して、千雪に謝ったらいいんだろう。
「何をどう誤解してるかわからへんけど、今オレが好きなのは千雪だけやしこれから先の未来も千雪しかいらない」
今のオレの気持ちをまずキチンと伝えて、それからひとつひとつを解していこうーーーーそうでないと千雪を失ってしまう。
もう二度と、千雪を見失うようなことはしないーーーそう決心した。